GF e-side
純情エゴイストへの愛を散らかし中。
2008'09.03.Wed
『草間と中條』の後日談のようなものです。なのである意味特殊設定?『草間と中條』の後、野分はどんな顔でヒロさんに会うんだろう?という話が出たので、そんな話です。
* * *
ヒロさんが帰って来た。
俺の、俺だけのヒロさん。
目の前にヒロさんがいる事がとても嬉しくて、今すぐにでも抱きしめたい。
なのに、この前までここにいた、ヒロさんにそっくりなあの人の事を思い出してしまった。
そして、ヒロさんに対する裏切り行為の事も…。
会えないヒロさんの事を想いながらのたった一度のキスだけど、ヒロさん以外の人とキスをしたという事実は変わらない。ヒロさんはその事を知ったらきっと傷付く。怒って、殴ったり蹴ったりクッションを飛ばして来たりするかもしれないけど、またきっとあの泣きそうな顔をしながらに違いない。
だから、ズルいとは分かっているけど、ヒロさんには言わない。ヒロさんを泣かせたくないから、という理由で自分の狡さを隠す。
それでも、罪悪感は消えなくて、まともにヒロさんの顔が見られない。自分の顔を見られないように、腕の中にすっぽり収めて抱き締める。
ごめんなさい。
ヒロさんに会いたくて仕方なかったんです。ヒロさんの温もりを忘れてしまいそうで怖かったんです。ごめんなさい。今、こうやってヒロさんを抱き締められるのが嬉しいんです。もう、絶対に離したくないです。
「野分…苦しい…」
知らないうちに、抱き締める腕に力が入っていたらしい。
大人しく抱きしめられていてくれたヒロさんが、腕の中でもがいている。いつもなら、抱きしめた時点で恥ずかしがって暴れるヒロさんなのに、今まで抱きしめられたままでいてくれたのは、ヒロさんも俺と離れて寂しいと思っていてくれたととっていいのだろうか?
さっきまではまともにヒロさんの顔を見られなかったのに、今は愛しい人の顔を見たくてたまらない。少し体を離して、ヒロさんの顎に手を添え、上向かせる。
「キス、してもいいですか?」
「な…っ!いつも嫌だって言ってもするくせに何いきなり聞いて来てんだ…っ」
ヒロさんがキスを拒みはしない事はわかっている。
だけど、俺は許しが欲しかった。ヒロさんに、全てを許してもらいたかった。
「駄目ですか?」
「……駄目じゃねーけど…」
世界で一番大好きな人に、深く口付ける。何度も角度を変えて口付け、ヒロさんの存在を確認する。離れている間に何があったかは、二人とも敢えて言わないし、聞かない。
あなたの存在を近くに感じているだけで、あなたの事が好きで好きでたまらない気持ちでいっぱいになります。
キスの合間に、想いが溢れ出して言葉が零れる。
「ヒロさん…愛してます…」
ヒロさんは、それに対して言葉で答えるような人ではない。
だけど、より深くなったキスと、俺の背に回された腕に力が入った事で、ヒロさんの気持ちを知る。
俺、草間野分が愛するのは、ヒロさんただ一人。
この想いを決して忘れないと誓った。
Fin.
--
草間はヒロさんの事が大好きなんです!
この話を作るきっかけになった言葉をくれたmuさんに感謝ですv
ヒロさんが帰って来た。
俺の、俺だけのヒロさん。
目の前にヒロさんがいる事がとても嬉しくて、今すぐにでも抱きしめたい。
なのに、この前までここにいた、ヒロさんにそっくりなあの人の事を思い出してしまった。
そして、ヒロさんに対する裏切り行為の事も…。
会えないヒロさんの事を想いながらのたった一度のキスだけど、ヒロさん以外の人とキスをしたという事実は変わらない。ヒロさんはその事を知ったらきっと傷付く。怒って、殴ったり蹴ったりクッションを飛ばして来たりするかもしれないけど、またきっとあの泣きそうな顔をしながらに違いない。
だから、ズルいとは分かっているけど、ヒロさんには言わない。ヒロさんを泣かせたくないから、という理由で自分の狡さを隠す。
それでも、罪悪感は消えなくて、まともにヒロさんの顔が見られない。自分の顔を見られないように、腕の中にすっぽり収めて抱き締める。
ごめんなさい。
ヒロさんに会いたくて仕方なかったんです。ヒロさんの温もりを忘れてしまいそうで怖かったんです。ごめんなさい。今、こうやってヒロさんを抱き締められるのが嬉しいんです。もう、絶対に離したくないです。
「野分…苦しい…」
知らないうちに、抱き締める腕に力が入っていたらしい。
大人しく抱きしめられていてくれたヒロさんが、腕の中でもがいている。いつもなら、抱きしめた時点で恥ずかしがって暴れるヒロさんなのに、今まで抱きしめられたままでいてくれたのは、ヒロさんも俺と離れて寂しいと思っていてくれたととっていいのだろうか?
さっきまではまともにヒロさんの顔を見られなかったのに、今は愛しい人の顔を見たくてたまらない。少し体を離して、ヒロさんの顎に手を添え、上向かせる。
「キス、してもいいですか?」
「な…っ!いつも嫌だって言ってもするくせに何いきなり聞いて来てんだ…っ」
ヒロさんがキスを拒みはしない事はわかっている。
だけど、俺は許しが欲しかった。ヒロさんに、全てを許してもらいたかった。
「駄目ですか?」
「……駄目じゃねーけど…」
世界で一番大好きな人に、深く口付ける。何度も角度を変えて口付け、ヒロさんの存在を確認する。離れている間に何があったかは、二人とも敢えて言わないし、聞かない。
あなたの存在を近くに感じているだけで、あなたの事が好きで好きでたまらない気持ちでいっぱいになります。
キスの合間に、想いが溢れ出して言葉が零れる。
「ヒロさん…愛してます…」
ヒロさんは、それに対して言葉で答えるような人ではない。
だけど、より深くなったキスと、俺の背に回された腕に力が入った事で、ヒロさんの気持ちを知る。
俺、草間野分が愛するのは、ヒロさんただ一人。
この想いを決して忘れないと誓った。
Fin.
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草間はヒロさんの事が大好きなんです!
この話を作るきっかけになった言葉をくれたmuさんに感謝ですv
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