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GF e-side

純情エゴイストへの愛を散らかし中。

2024'11.23.Sat
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2008'05.23.Fri

俺にとっての世界は、『ヒロさん』と『それ以外』。

自分自身すら『それ以外』の中に入っていると気付いた時は苦笑せざるを得なかった。


***

「ってーと、お前の考える世界では、俺は一人ぼっちで寂しくしているわけだな?」
「いえ、そういう意味じゃ…」
俺にとってどれだけヒロさんが大切なのか伝えたいのに、うまく伝えられずに拗ねられてしまった。

独占欲の薄かった俺が、生まれて初めて“絶対に手に入れたい”と欲した『ヒロさん』。
できる事ならば、誰の目にも触れさせないように閉じ込めて、俺だけを見ていて欲しい、なんて考えてしまう。
そんな事できない事は勿論分かっているし、何よりヒロさん自身がそれを望まない事も充分過ぎる程分かっている。ヒロさんには、ヒロさんの世界がある。

それでも。

ヒロさんの口から宇佐見さんや大学の教授の名前が出ると、不安になる。そんな時、自分がまだまだ子供だと痛感させられる。でも、俺があなただけを見ているように、あなたも俺だけを見てくれたら、と願う気持ちを抑える事はできない。

「俺は、ヒロさんがいてくれればいいんです。」
俺の世界の中心は、ヒロさんだ。ヒロさん以外は、何もいらない。

***

「俺がいる世界にお前がいなきゃ、意味がないじゃないか」

酒が入って少し饒舌になっているヒロさんの言葉に目を覚まさせられる。素面のヒロさんだったら絶対に言わないような台詞だというのもあるが、その内容にも驚いた。

「お前が一人ぼっちの俺を見るのは勝手だが、だったら俺はどうやって野分を見ればいいんだよ」
ちょっと目が据わっているのは、拗ねているのではなく…怒っている?
ヒロさんは、俺が勝手にヒロさんしかいない世界を作り上げ、そこに俺がいない事に対して怒っているらしい。

「お前だけが俺を見たいと思うなーっ!
俺だってお前を見たいんだよ!!悪いかーっ!」

暴れ始めてしまうヒロさん。思った以上に酔いが廻っているらしい。
「わかりました!わかりましたから、落ち着いて下さい!」
暴れるヒロさんを宥め、重ねて言う。
「じゃあ、俺もヒロさんのいる世界に入ります。ヒロさんの側にいます!それでいいんですよね?」
「…そーだ」
偉そうにしているけど、言っている事はこんなにも可愛い。
ヒロさんだけいればいいと思っていた世界に、俺も必要だと言ってくれる。
ヒロさんだけの世界ではなく、ヒロさんと、俺の世界。

あなただけが、俺の中心。
そして、俺だけがあなたの中心になります。

Fin.

--
ちょっと野分がヤンデレ気味になってしまいました(^^;)。ヒロさんが素直に気持ちを口にし過ぎているのはお酒が入っている勢いで、という事で。
お題は『
綺羅星-Kiraboshi-』様から頂きました。
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