GF e-side
純情エゴイストへの愛を散らかし中。
2008'06.25.Wed
ヒロさんに頼まれて、大学にいるヒロさんの所まで書類を届ける事になった。
前に届けた時は、正門まで取りに来てくれたけど、今日は時間がないという事で、研究室まで届けて欲しいと言う。
前に届けた時は、正門まで取りに来てくれたけど、今日は時間がないという事で、研究室まで届けて欲しいと言う。
ヒロさんが働く大学には何回か来た事があって、大学という場所は部外者が入り込んでもそんなに目立たないという事は分かっているけど、慣れない場所に足を踏み入れるのは少し緊張する。
教えてもらった通りに、研究室がある棟を目指す。丁度昼休みなのか、敷地内の中庭は学生で賑わっていて、大学生だった頃の事を思い出して少し懐かしい。
教職員棟の入口にあるネームプレートでヒロさんの在室を確認し、階段を昇る。
(そういえば、初めてここに来た時は、手当たり次第にヒロさんの居場所を聞いたっけ…)
あの時は、それだけ切羽詰まっていたんだなぁ、と今では冷静に思える。連絡手段を絶たれて、思い付く場所はここしかなくて、会って話をしたい一心で、必死にヒロさんを探したんだった。
今は、ちゃんと目指す場所があって、ヒロさんがそこで待っていてくれるという安心感がある。
研究室のドアは開いていたけど、一応ノックをしようとした時、ヒロさんの姿が見えた。
(あ…眼鏡かけてる)
学生と間違われないように、講義の時は眼鏡をかけると言っていたっけ。
真剣な顔して、本棚から本を取り出して眺め、俺には気付いていない。
普段とは少し違う、仕事モードのヒロさんに少しドキリとする。いつもはヒロさんをすごく可愛いと思ってしまうけど、今のヒロさんは可愛いというより、綺麗。
静かな部屋に、ヒロさんが本のページをめくる音だけが響き、思わず見とれてしまう。あの柔らかい色の髪の毛も、感情を隠せない瞳も、本のページをめくる指も、華奢な体も、全部、全部、俺の物だと思うと、誰に対するわけでもなく優越感に浸ってしまう。
周囲に誰もいないのを確認して、後ろからそっと近付き、抱きしめた。
「ぎゃっ!」
「ぎゃっ……って…。色気がないです…」
「野分~!いきなり何しやがる!」
腕の中でジタバタと暴れるヒロさん。
「俺だと分かってくれて、良かった。あの教授と間違われたりしたら、凹むところでした」
ヒロさんは何でもないというけれど、かつて俺が殴りかかってしまった教授は、油断ならない。同じ場所で働いているから仕方がないとはいえ、ヒロさんが煙草の臭いをつけて帰って来るのも、本当は嫌なのに。
「……間違えるわけねーだろ」
小声でぼそりと呟くように言ってるのは、照れてるのかな?腕の中のヒロさんは、さっきまでの仕事モードの時とは別人のように可愛くなってしまっている。
「いい加減離せ。もうすぐ学生が来る予定になってるんだ」
「それは…すごく残念です」
もっとヒロさんにくっついていたいのに。
少し腕の力を緩め、ヒロさんの体をこちらに向けさせて、キスをする。いつものように真っ赤になるヒロさんだけど、眼鏡をかけてるせいで、その表情もいつもとは違って見えて、またドキドキしてしまう。
「…っ!離せって…!」
押し返されてしまったけど、これで良かったのかもしれない。これ以上ヒロさんに触れていたら、歯止めがきかなくなってしまう。
「書類、届けてもらって悪かったな」
「いえ。ヒロさんに会えましたから」
「…朝も家で会っただろうが…」
「俺は、いつだってヒロさんに会いたいです」
許されるなら、24時間だって一緒にいたいくらいだ。
「だから、早く帰って来て下さいね。さっきのキスだけじゃ、足りないです」
「アホな事言ってねーでさっさと帰れ!」
いつもの照れ隠しなのは分かっているけど、これ以上ここにいると、また本を投げつけられそうなので、今は退散する。
仕事をしているヒロさんもかっこいい。でも、やっぱり、俺だけの可愛いヒロさんが、一番好きです。
--
眼鏡ヒロさんと、ヒロさんにドキドキする野分が書きたかったのです。
キスの時、ヒロさんは恥ずかしくて、とてもじゃないけど目を開けて野分の顔なんか見られないけど、野分はそんなヒロさんの表情を楽しんでそうです。8巻の病院でのキスなんかそんな感じ。
教えてもらった通りに、研究室がある棟を目指す。丁度昼休みなのか、敷地内の中庭は学生で賑わっていて、大学生だった頃の事を思い出して少し懐かしい。
教職員棟の入口にあるネームプレートでヒロさんの在室を確認し、階段を昇る。
(そういえば、初めてここに来た時は、手当たり次第にヒロさんの居場所を聞いたっけ…)
あの時は、それだけ切羽詰まっていたんだなぁ、と今では冷静に思える。連絡手段を絶たれて、思い付く場所はここしかなくて、会って話をしたい一心で、必死にヒロさんを探したんだった。
今は、ちゃんと目指す場所があって、ヒロさんがそこで待っていてくれるという安心感がある。
研究室のドアは開いていたけど、一応ノックをしようとした時、ヒロさんの姿が見えた。
(あ…眼鏡かけてる)
学生と間違われないように、講義の時は眼鏡をかけると言っていたっけ。
真剣な顔して、本棚から本を取り出して眺め、俺には気付いていない。
普段とは少し違う、仕事モードのヒロさんに少しドキリとする。いつもはヒロさんをすごく可愛いと思ってしまうけど、今のヒロさんは可愛いというより、綺麗。
静かな部屋に、ヒロさんが本のページをめくる音だけが響き、思わず見とれてしまう。あの柔らかい色の髪の毛も、感情を隠せない瞳も、本のページをめくる指も、華奢な体も、全部、全部、俺の物だと思うと、誰に対するわけでもなく優越感に浸ってしまう。
周囲に誰もいないのを確認して、後ろからそっと近付き、抱きしめた。
「ぎゃっ!」
「ぎゃっ……って…。色気がないです…」
「野分~!いきなり何しやがる!」
腕の中でジタバタと暴れるヒロさん。
「俺だと分かってくれて、良かった。あの教授と間違われたりしたら、凹むところでした」
ヒロさんは何でもないというけれど、かつて俺が殴りかかってしまった教授は、油断ならない。同じ場所で働いているから仕方がないとはいえ、ヒロさんが煙草の臭いをつけて帰って来るのも、本当は嫌なのに。
「……間違えるわけねーだろ」
小声でぼそりと呟くように言ってるのは、照れてるのかな?腕の中のヒロさんは、さっきまでの仕事モードの時とは別人のように可愛くなってしまっている。
「いい加減離せ。もうすぐ学生が来る予定になってるんだ」
「それは…すごく残念です」
もっとヒロさんにくっついていたいのに。
少し腕の力を緩め、ヒロさんの体をこちらに向けさせて、キスをする。いつものように真っ赤になるヒロさんだけど、眼鏡をかけてるせいで、その表情もいつもとは違って見えて、またドキドキしてしまう。
「…っ!離せって…!」
押し返されてしまったけど、これで良かったのかもしれない。これ以上ヒロさんに触れていたら、歯止めがきかなくなってしまう。
「書類、届けてもらって悪かったな」
「いえ。ヒロさんに会えましたから」
「…朝も家で会っただろうが…」
「俺は、いつだってヒロさんに会いたいです」
許されるなら、24時間だって一緒にいたいくらいだ。
「だから、早く帰って来て下さいね。さっきのキスだけじゃ、足りないです」
「アホな事言ってねーでさっさと帰れ!」
いつもの照れ隠しなのは分かっているけど、これ以上ここにいると、また本を投げつけられそうなので、今は退散する。
仕事をしているヒロさんもかっこいい。でも、やっぱり、俺だけの可愛いヒロさんが、一番好きです。
--
眼鏡ヒロさんと、ヒロさんにドキドキする野分が書きたかったのです。
キスの時、ヒロさんは恥ずかしくて、とてもじゃないけど目を開けて野分の顔なんか見られないけど、野分はそんなヒロさんの表情を楽しんでそうです。8巻の病院でのキスなんかそんな感じ。
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どきどきv
楽しく拝見させていただきました。
すご~くよかったです。
私も「上條先生」のときの上條君は絶対綺麗だと思います!鬼でも。
何気ない日常の二人をmaiさまの文で読むのはとても楽しいです、これからも楽しみにしておりますv
すご~くよかったです。
私も「上條先生」のときの上條君は絶対綺麗だと思います!鬼でも。
何気ない日常の二人をmaiさまの文で読むのはとても楽しいです、これからも楽しみにしておりますv
>うなさん
こんにちは^^
仕事中のヒロさんは絶対「綺麗」ですよね!「綺麗」にするか「かっこいい」にするか一瞬迷ったのですが、「綺麗」にして良かったです。本を読んでる綺麗な上條先生を物陰からじーっと観察したいです(笑)。
エゴの二人は特に何事もない日々でも二人でいれば幸せ、という感じなので、書いていて楽しいです。二人の幸せオーラを少しでも感じて頂けたら嬉しいですv
仕事中のヒロさんは絶対「綺麗」ですよね!「綺麗」にするか「かっこいい」にするか一瞬迷ったのですが、「綺麗」にして良かったです。本を読んでる綺麗な上條先生を物陰からじーっと観察したいです(笑)。
エゴの二人は特に何事もない日々でも二人でいれば幸せ、という感じなので、書いていて楽しいです。二人の幸せオーラを少しでも感じて頂けたら嬉しいですv
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