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GF e-side

純情エゴイストへの愛を散らかし中。

2025'04.08.Tue
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2008'05.16.Fri
どうしてこうなったか分からないけれど、リビングのソファに座っていた俺に、ヒロさんが寄りかかって本を読んでいる。

背中を向けられているので、表情は分からない。ヒロさんは『くっつきたい』だの『抱きしめて欲しい』だの死んでも言わない人だけど、これは俺とくっついていたいと思ってくれていると思っていいのだろうか。

そのまま静かに時間が過ぎて、俺も読んでいた本がそろそろ終わりに差しかかろうかというところで、俺にかかっていたヒロさんの体重がずしりと重くなる。
「ヒロさん…?」
バサリ、とヒロさんの持っていた本が床に落ちる。ヒロさんに視線を向けると、俺に背中を預けたまま、……寝てる。

「こんな所で寝たら風邪引きますよ」
体重を預けられたまま、ヒロさんに声を掛けるが、起きる気配は全くない。それどころか俺にかかる体重がどんどん重くなっているような気がする。
「ヒロさん、ヒロさん。起きないと襲いますよー?」
完全熟睡モードに入ってしまったらしいヒロさんは、軽く肩を揺すっても起きない。俺は少し体を動かして、ヒロさんの頭を俺の膝の上に移動させる。

なんて無防備な寝顔だろう。俺の大好きなヒロさんの寝顔。
この寝顔を独占できるのも、ヒロさんが全身で信頼を預けてくれるのも、俺だけ。
ヒロさんが愛しくて、自然と笑みがこぼれてしまう。

「ん…。の、わき…?」
ヒロさんの髪の毛を梳いていると、一瞬ヒロさんが目を覚まし、寝ぼけ眼で手を伸ばして来た。
「手」
訳が分からないまま伸ばされた手に指を絡ませる。
「野分…。ここに、いろ…」
「!!」
俺の手を握り返しながら言ったのは、普段のヒロさんなら絶対に言わないような台詞。起きてからヒロさんがこんな事を言った、などと教えたら怒って否定されそうだ。
ヒロさんはそれだけ言うとまたスースーと寝息を立てて寝てしまう。

「…はい。ずっとヒロさんの側にいますよ」

ずっと、ずっと。
俺は、ヒロさんのものだから。


Fin

--
野分が『ヒロさん』と呼ぶのが好きでたまりません。恋人に寄りかかって寝てる図って安心しきってるんだなーという感じで見てて微笑ましいです。
お題は『
綺羅星-Kiraboshi-』様から頂きました。
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