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GF e-side

純情エゴイストへの愛を散らかし中。

2024'11.23.Sat
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2009'01.20.Tue
留学話のラストシーンの「ただいまです」「おかえり」直前の短い話です。
前半はヒロさん視点、後半は野分視点になっています。

◇      ◇       ◇

今日から野分と一緒に暮らす事になる。

もうすぐ野分が来る時間だ。
いや、“帰って来る”時間だな。今日からここは野分の家にもなるのだ。
それを意識するとなんだか落ち着かなくて、何も手に付かない。
しょうがないから適当にそこら辺に置いてあった雑誌を読もうと手に取ったが、
やはり内容が頭に入って来ない。

今までも、野分が俺の家に来て泊まる事も何度もあったのに、
この落ち着かなさは何なんだ!?

チャイムが鳴り、野分の帰宅を告げる。
寝転がっていたソファから飛び起き、思わず鏡で軽く髪型を整えてしまってから気付く。
これから同じ家で暮らすというのに取り繕ってどうするというのだ。
自然に迎えて、今まで通り普通に接すればいい。
野分も野分だ。何で自分の家に帰って来たのにチャイムなんか鳴らすんだ。
鍵も渡してあるだろ!?

気恥ずかしさを悪態に代え、一度整えた髪をくしゃくしゃとかき回して玄関に向かった。

 
◇      ◇       ◇


バイトを終えて帰路に着く。
今まで一人で住んでいたアパートではなく、ヒロさんと一緒に暮らすマンションへ。

事前に荷物を運び入れる為に何度か通った場所なのに、今日は何故だか緊張している。
ヒロさんの家に通っていた時もこんな風に緊張したりしなかったのに。
同時に、大好きな人が自分を待っていてくれる家に向かっているという幸せも噛みしめる。

どうしよう…。嬉しすぎる。

今日から暮らす家の扉の前に辿り着いた。
深呼吸を一つして、いつもの癖でチャイムを鳴らしてしまってから
その必要がなかった事を思い出す。
ここは、俺とヒロさん二人の家なのだから。

扉を開けると、目の前には玄関まで迎えに来てくれたヒロさん。

「おじゃま……じゃなくて、ただいま です」
「お、おかえり」

ヒロさんと俺との新しい生活が、これから始まる。



Fin

--
あのシーンは本当に色々なものが詰まったすごく幸せなシーンだなぁ、と突然しみじみと思ってしまい、衝動のままに書きました。
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